自然なワイン造りへのこだわり: グレープリパブリック体験記
外は桜の花が暖かい春の日差しに揺れている。
そんな穏やかな日には、自然とワインを片手にしたくなるものだ。
最近、私の生活には特別なワインが彩りを加えてくれた。
それが、山形県南陽市にある
グレープリパブリックが手がける、自然派ワインのセットである。
このワイナリーのワインは、ただの飲み物以上の何かを感じさせる。
それでは、その魅力をご紹介しよう。
グレープリパブリックの理念とヴィジョン
グレープリパブリックは、山形県南陽市に位置し、地元の風土を最大限に活かしたワイン造りを行っている。
その中心的な考え方は「自然なワイン造り」と「テロワール」の尊重だ。
テロワールとは、その土地の気候や地勢、土壌、人々の文化までを含む広い概念であり、ワイナリーの根幹を成す思想だ。
彼らは余分なものを一切加えず、土地の力だけでブドウを育て、そのブドウのみを用いてワインを造る。
「Made from 100% Grapes」というモットーの下、グレープリパブリックでは、自然そのもののワインを生み出す努力が続けられている。
特筆すべき製品: SAKURAワインセット
この春、私を魅了したのは、グレープリパブリックの
SAKURAワインセットだ。
セットにはオレンジがかったロゼワイン『ロザート2018』と、微発泡ワイン『デラフレスカ2020』の二本が含まれている。
どちらも、野生酵母での発酵、無清澄、無濾過、酸化防止剤無添加という徹底した自然派ワイン。
特に『ロザート2018』は、南陽市と山梨県のブドウから作られており、そのチャーミングな味わいが印象的だ。
焼肉やバーベキューといった肉料理によく合うというのも興味深い。
日本風のバーベキューでピッタリだろう。
それぞれのワインの特長
『デラフレスカ2020』は山形県産のデラウェアを100%使用した微発泡ワインで、非常にフレッシュな味わいだ。
デラウェアの果実をそのまま齧ったような酸味と果実味が口いっぱいに広がり、その余韻にはわずかな炭酸が舌先を刺激する。
香りは熟れたパイナップルやミカンのフルーティなイメージで、食欲をそそられる。
これならば、タコの冷製パスタにレモンやバジルを利かせるような、フレッシュでハーブの香りを活かした料理と相性が良さそうだ。
ワイナリーの背景と栽培へのこだわり
南陽市の地は、ぶどう栽培に適した気候と地質を持っている。
日中と夜間の寒暖差が大きく、湿度の低い気候、それに加え水はけの良い地質がぶどうを育む。
グレープリパブリックが手がけるぶどうは、すべて有機農業が実践され、肥料や農薬はもちろん酸化防止剤すら使用しない。
スペインから輸入された陶器の醸造かめ「アンフォラ」にぶどうを保存し、自然な発酵に頼る。
その結果、自然をそのまま表現するようなワインが生まれるのだ。
グレープリパブリックの未来展望
グレープリパブリックの目指す先は、ただのワイン製造に留まらない。
周囲に広がる耕作放棄地を再生し、若手農家を集め、新たなワイナリーを開設するなどして地域の活性化を図っている。
また、南陽市の名産品とのコラボレーションやアグリツーリズムを展開し、地域全体で「ぶどう共和国」と呼ばれるような形態を目指している。
彼らのワイナリーは、単なる経済活動を越え、地域振興を見据えた壮大なビジョンを持ち続けている。
まとめ: ワインを超えた体験
今回、グレープリパブリックのSAKURAワインセットを体験したことで、私はその味わいだけでなく、彼らのワイン造りへの情熱や地域を超えた取り組みに深く心を打たれた。
ワイン一杯に込められた風土の力、作り手の想い、そして美しい味わい。
それがすべて融合したこのワインは、ただの飲み物として消費するにはもったいないほどの価値がある。
新たな季節の訪れとともに、ぜひ、あなたも自然の魅力が詰まったワインセットを手に取り、特別な瞬間を味わってみてはいかがだろうか。